No.074 百様図 大丸松坂屋百貨店

紙の重なりが、歴史を描く

皆さん、こんにちは。マツザワです。今日は大丸松坂屋百貨店のブランドサイト「百様図」を眺めました。全体に“紙と手仕事”の温度が伝わってくる、落ち着いた好感の持てる設計でした。

デザイン概観

  • コンセプトの明快さ:「百様」という価値観(歴史・土着・うつろい・気持ち)を分かりやすく4つの視点で説明していて、ブランドメッセージがブレていません。
  • 素材感の活用:色紙を重ねた写真や紙のテクスチャをそのままビジュアルに使うことで、百貨店という“モノを扱う場”の信頼感を画面上でも成立させています。
  • 物語の構成:各セクションが章立てされており、読み進めることで「百様図」がどのように生まれ、ショッピングバッグへ落とし込まれたかが伝わります。

    No.074 百様図 大松松坂屋百貨店 歩道橋よりコルュビジェへ|WEBサイト100選
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タイポグラフィと余白

文字の間や行間にゆとりがあり、紙の写真と呼吸が合っています。見出しまわりの余白設計が丁寧なので、読み手は詰め込み感を感じずに通読できます。細かい説明文はやや改行が多めで、読みやすさ重視の組み立てです。

色彩設計

大丸側の“みどり”、松坂屋側の“あお”というキー・カラーが、百様図の左右分割とリンクして機能しています。色自体は派手ではないけれど、素材の質感(紙の影や重なり)で奥行きを出す設計になっていて、落ち着いた高級感を演出しています。

ビジュアル — 紙を撮ることで生まれる説得力

実際に重ねた紙を撮影した写真を使用し、それを模様としてバッグのデザインに落とす説明はとても説得力があります。実物の素材からパターンを切り出す流れが可視化されていて、ブランドの信頼感を高めています。

No.074 百様図 大松松坂屋百貨店 歩道橋よりコルュビジェへ|WEBサイト100選
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インタラクションとモバイル対応

ページ上に「画面をタップしてください」といった誘導があり、インタラクティブで動きのある演出を取り入れています。動くことで毎回違う表情を見せる、というコンセプトはブランドの「うつろい」をうまく体現しています。モバイルでも写真とテキストのバランスが保たれており、読みやすさは確保されています。

まとめ

「百様図」は、シンプルな形と紙の素材感で〈地域〉と〈伝統〉と〈ひとの手〉をつないで見せる、よくまとまったブランド表現でした。派手さよりも、じんわりと伝わる説得力を選んだデザインで、百貨店という場の性格に非常に合っていますね。

以上、マツザワでした。

 

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