森の時間のようなウェブ体験
今日はWoodSpiritsのサイトを眺めました。マツザワです。森の深呼吸みたいに、しずかな時間が流れるサイトでした。木の香りをそのままグラスに閉じ込めたような、不思議とやさしいウェブ体験。今日はそんなWoodSpiritsのサイトを、ウェブデザイン目線でじっくり味わいます。
やさしいイラストが導くストーリー
サイトをスクロールしていくと、木を伐るところから蒸留まで、プロセスが一枚絵のようなイラストで描かれています。重機や装置までやわらかい線画で表現されていて、理科室感よりも“絵本感”。専門的な内容でも親しみを持って読み進められます。

しっかりとしたテキストを、縦のリズムで読ませる
テキストは量がしっかりあるのに、不思議とスラスラ読めます。段落を短く区切り、見出しや番号付きのステップがリズムを作っているので、スクロールの手が止まりません。文章量を隠すのではなく、テンポを整えて負担をなくしている設計です。
見出しと図解のコンビネーション
「原料採取」「木材チップに加工」「蒸留」など、工程ごとに番号付きの見出しとイラストがセットで登場。視線が自然に上下へと移動して、読む → 見る → イメージが立ち上がる、という流れが心地よいです。スクロール自体が物語を追う行為になっています。
色は森のアクセント
背景は明るいベージュ、そこにグリーンや茶の差し色が静かに効いています。派手さはないのに視認性が高く、木や森の情景が自然に浮かび上がる色設計です。イラスト中心のデザインと相性抜群。

物語を読むようなロングスクロール
ファーストビューから最後の「森の中で一杯」に至るまで、流れるように一つの物語を読んでいる感覚。工程を追うことが体験そのものになっていて、最後にはブランド全体への理解が自然に深まります。
体験を想像させるラストシーン
最後は、テーブルに座ってグラスを楽しむ人物のイラスト。ここで「飲んでみたいな」という気持ちが自然に芽生えます。情報のゴールが“購入”ではなく“体験のイメージ”なのがいいですね。押し付けがましくなく、でも確かに心を動かしてくれます。
まとめ:木の時間をデザインで感じる
WoodSpiritsのサイトは、しっかりした情報量とやさしいビジュアルを両立させたデザインです。縦方向の流れを活かし、読むリズムを整えることで、知識を得る体験そのものが心地よい時間になります。森と同じ速度で、ゆっくり理解していく。そんな体験をウェブでつくっている好例でした。